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 1980年代後半から1990年代前半頃、日本では、株や土地の値段が高騰し、私達は、バブルの時代を過ごしました。日本の企業は、外国のビルや、絵画など、高額の品物を買いまくり、欲しいものは、何でも手に入れていた時代でした。いわば、目に見える物がクローズアップされた時代とも言えると思います。
 そして、今、バブルの時代に価値のあったものは、ほとんどが、無価値となり、消失してしまっています。形あるものは、いずれは滅びる!残ったものは、あるのでしょうか?
 目に見えるモノは、実態を明確に把握することができ、扱い易すく安心感はありますが、実は、いつかは消えてなくなってしまうものなのです。目に見えるモノが消えてなくなる・・・ということは、目に見えるモノが変化するという言い方もできます。そして、その変化の速度は、とても速くなっており、これからさらに速くなると予想されています。
 例えば、江戸時代、手紙は、飛脚が運んでいました。手紙が相手に届くまで、数日が必要でした。いまでは、携帯電話で即時に相手と意思の疎通ができます。Eメールもあります。情報の伝達速度が、級数的に速くなっているのです。
 ますます速くなって行く変化のスピードに対処するには、どのようにしたらよいのでしょうか・・・・
 それは、本質を理解することだと思います。なぜその物が存在するのか、なぜ見える物は、変化するのか?・・その物の存在を支えている思想(思い)はなにか?・・・ということです。

近年、知的財産権がクローズアップされております。この知的財産権とは、特許権、実用新案権、意匠権、著作権といった、人間が精神活動をした結果、創り出された思想や著作物を保護するために認められる権利です。商標権は、人間の精神活動とは少し違いますが、商標の使用者が積み上げた業務上の信用を保護するために認められる権利です。
 これらの保護対象は、目に見えないモノです。特許権は、発明を保護するための権利ですが、この発明とは、技術的思想の創作であると、特許法に定義されています。この思想とは、発明品という、目に見える形で表現されますが、実際には人の頭の中にあるものです。目に見えるモノではありません。発明品は、技術的な思想が目に見える形で具現化された1つの形態であって、保護の対象とされているのは目に見えない思想なのです。
 商標も同じです。商標として登録するマークや名称は、目に見えるモノですが、実は、これらの標章を介して、その標章に化体している商標使用者の業務上の信用を保護しています。この業務上の信用は、消費者の頭の中にフィーリング(感覚)として認識されているもので、実際には目に見えないモノです。
著作権も同じではないでしょうか?実は、著作権者の精神活動に着目した制度だと思います。これらの制度は、目に見える物を通して、実は目に見えないモノを保護しようとしているのです。
 これからの時代は、目に見えないモノをどのように把握し、どのように関わっていくか?ということが大切な要素となっていくでしょう。そのような目に見えないモノの時代に最もフィットした法律が、知的財産権に関する法律です。
 私たちは、この見えないモノの正確な把握が、とても大切なものだと考えています。見えないモノを十分に把握したのち、その見えないモノを、いかに確実に保護していくか? いかに正確に目に見えるモノとして表現していくか? ということが、私たちの使命だと考えております。


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